
「脳梗塞の前兆は、何日前から出ますか?」
「少しずつ出てくるものですか?」
これは、外来でよく聞かれる質問です。
しかし、これは、実は一概には決まりません。
前兆の代表は、一過性脳虚血発作(TIA)とよばれる症状で、脳の血流が一時的に悪くなり、症状が出ても数分〜1時間以内(多くは24時間以内)に消えるのが特徴です。
見逃してはいけない初期サインとしては、次のような突然の症状があります。
見逃してはいけない初期サイン とは?
- 片側の顔・腕・脚がしびれる、力が入らない
- ろれつが回らない
- 言葉が頭に浮かんで出ない、自分の話したいことが話せない、話が理解できない
- 片目が急に見えにくい、視野が欠ける
- まっすぐ歩けない、めまいが出る、強いふらつく
(絶対に見過ごしてはいけない、脳梗塞の前兆、初期症状 9選!)を御参照ください)
ただ、この症状を聞いただけでは判断ができない状況もあります。

脳梗塞の前兆、と書きましたが、絶対に症状がもう一度出てくるというわけではありません。
どの程度まで再発する可能性があるのか、危険かを、医師側で判断します。
判断の根拠は、上に書いた症状と、MRI検査、そして以下のABCD2 score があります。
ABCD2スコアとは?
ABCD2スコアは、「一時的に脳梗塞のような症状が出た方(TIA)」が、近いうちに本当の脳梗塞を起こす危険性がどれくらいあるかを、簡単に見積もるための指標です。
5つの項目をチェックし、合計点(0〜7点)でリスクの目安を判断します。
ABCD2スコアの5つのチェック項目
① 年齢(A:Age)
60歳以上の方は、脳梗塞のリスクが高くなるため 1点が加わります。
② 血圧(B:Blood pressure)
症状が出たとき、または受診時の血圧が 140/90mmHg以上の場合、1点です。
高血圧は、脳の血管に負担をかける重要な危険因子です。
③ 症状の内容(C:Clinical features)
症状の出方によって点数が変わります。
- 片側の手や足に力が入らない、動かしにくい場合は、より重い症状と考えられ、2点
- 麻痺はないものの、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった症状があれば 1点です。
④ 症状が続いた時間(D:Duration)
症状が続いた長さも重要です。
- 60分以上続いた場合は 2点
- 10〜59分続いた場合は 1点
- 10分未満で治まった場合は 0点となります。
⑤ 糖尿病の有無(D2:Diabetes)
糖尿病がある方は、血管が傷みやすいため 1点が加わります。
点数の見方(脳梗塞の危険度の目安)
これらを合計して、次のように考えます。
- 0〜3点:低リスク
- 4〜5点:中等度リスク
- 6〜7点:高リスク
点数が高いほど、数日以内に脳梗塞を起こす可能性が高いと考えられます。
特に 4点以上の場合は、症状がすでに治っていても、早急な検査や入院での詳しい評価が必要になることが多いとされています。

とても大切なこと
ABCD2スコアは、あくまで目安です。
点数が低くても脳梗塞が起こらないとは限りません。これは医療者が病状を判断する際の、一つの参考基準です。一瞬でも脳梗塞を疑う症状が出た場合は、自己判断せず医療機関を受診することが重要です。
「もう治ったから大丈夫」と思わず、早めに専門医の評価を受けることが、将来の重い後遺症を防ぐことにつながります。
当クリニックでできること(受診のご案内)
一時的でも、
- 片側のしびれや力の入りにくさ
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 見えにくさやふらつき
といった症状があった方は、ABCD2スコアの点数にかかわらず、専門的な評価が重要です。

大阪市東淀川区のよしむら脳神経・脊椎外科クリニックでは、
日曜日を除く全ての診察日で、脳神経外科専門医が診察を行っています。
- 症状の詳しい聞き取り
- MRIなどの画像検査の必要性の判断
- 脳梗塞やTIAの可能性評価
- 今後の再発予防に向けたアドバイス
を行っています。
「救急車を呼ぶほどではなかったが、不安が残っている」
「症状は治ったが、このまま放っておいてよいのか知りたい」
そのような場合でも、早めにご相談いただくことで、脳梗塞の予防につながるケースが少なくありません。
気になる症状があった方は、どうぞお一人で悩まず、
よしむら脳神経・脊椎外科クリニックまでお気軽にご相談ください。
⚠ 緊急時の注意
なお、症状が続いている場合や、急激に悪化している場合は、
受診を待たずに 119番通報(救急要請) を行ってください。






