原因
腰の骨の間にある軟骨(椎間板)だけでなく、腰の骨の前後にある靱帯や関節なども変形することで、骨や靱帯が支えとして十分に働かなくなります。すると、腰の骨が前後にずれるので、脊柱管が狭くなります。この、腰の骨が前後にずれた状態を腰椎すべり症といいます。
症状
慢性的に腰の骨や椎間板、黄色靭帯などによって神経が圧迫され、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が見られます。
ある程度の距離を歩くと足が痛んだり、しびれるようになります。しかし、自転車ではいくらでも移動できる、買い物カートを押しているといくら歩いても痛くない、などの症状があります。腰痛が強い場合もあります。
診断、検査
間欠性跛行などの典型的な症状が無いか、問診の段階で確認します。
足の筋力低下、感覚障害などがないか、診察の段階で確認します。
腰のレントゲン、CT、MRI検査などで診断しますが、画像検査の中心となるのはMRIです。
治療
1.内服治療
神経障害性疼痛(神経が原因の痛み)に対する薬、神経への血流を増やして症状を改善させる薬、ビタミン剤などがあります。
2.ブロック治療
透視装置で確認しながら、腰椎神経根ブロックを行います。
3.手術治療
ほとんどの場合には内視鏡下椎弓切除術を行います。
腰椎の前後方向のずれが強い場合には、ボルトなどで腰椎の骨同士を固定する方法(腰椎固定術)を検討します。