脊髄の神経が障害されると、どのような症状が出ますか?
大まかに分けますと、
頚椎:肩から手・指にかけての痺れや痛み、指先に力が入りにくい、
腰椎:腰から足にかけての痛み・痺れ、足に力が入りにくい
のようになります。
実際は、神経が圧迫されることによる症状は、頚椎及び腰椎で、骨の一段ごとに違います。
具体的に痛み・痺れる範囲や、力の入りにくい動作などを、神経が圧迫される場所ごとに書きますと、下の図のようになります。特に障害されやすい神経を選んで書いています。赤で囲った範囲は、痺れや痛みを感じる場所です。
同じような痛み・痺れ・脱力などでお悩みの方は、原因が脊髄の神経かもしれません。
いくつか当てはまる方は、お近くの病院で一度診察を受けられることをお勧めします。
〈頚椎〉
神経の束(頸髄)の症状(脊髄症)
脊柱管の中で、神経の束(脊髄)が圧迫されたときに見られる症状です。
□指先がしびれる
□ものをつまみにくい
□箸を使いにくい
□ボタンを留めにくい
□ペンで字を書きにくい
□歩きにくい
□階段を上がりにくい
□小さな段差でつまづきやすい
□足が突っ張った感じで歩きにくい
神経の枝(神経根)の症状(神経根症)
神経の枝が圧迫されたときに出る症状です。
□首を後に傾けると腕から手の痛み・しびれが強くなる
□手を挙げていると腕から手の痛み・しびれが楽になる
5番目の神経の枝(C5)の症状
□肩からの腕の外側にかけての痛み・しびれ
□肩が上げにくい
□肘を曲げにくい
6番目の神経の枝(C6)の症状
□手首を反りにくい
□肩から上腕、親指と人差し指にかけて痛む・しびれる
7番目の神経の枝(C7)の症状
□肘を伸ばしにくい
□腕から中指にかけて痛む・しびれる
8番目の神経の枝(C8)の症状
□腕から小指にかけて痛む・しびれる
□手の指を伸ばしにくい
□ペットボトルのフタを締めにくい
〈腰椎〉
4番目の神経の枝(L4)の症状
□股関節の近くが痛い(股関節を動かしても痛くならない)
□太ももの前側、ふくらはぎの内側が痛い
□膝の力が抜けることがある
5番目の神経の枝(L5)の症状
□太ももからふくらはぎの外側が痛い
□つま先をあげにくい
(スリッパが脱げやすい、細かいものにつまづきやすい、など)
下の神経(S1)の枝の症状
□太ももからふくらはぎの裏側が痛い
□ふくらはぎに力が入りにくい
(足を蹴り出しにくい、階段を上がりにくい)